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351 名前:名無し三等兵[age] 投稿日:2005/12/03(土) 05:19:06 ID:???
翌日からはげしい猛訓練がはじまる。出撃後の訓練はほとんど予告なしで行われた。
「訓練、敵船発見右四十度距離二万、非番直員女装用意」。
海軍はじまって以来の珍号令がスピーカーから飛び出す。
ものの五分もすると甲板や遊歩デッキを、着飾った麗人たちが
シャナリシャナリと散策をはじめた。セーラー服の女学生、アッパッパ姿、
羽根つき婦人帽、ネッカチーフを巻いたもの、色とりどりである。
非戦闘員の主計科、電信科の非番直員が白粉代用の水にとかしたメリケン粉を
顔一面にぬりたくって、敵船に向かってなつかしげに手を振り投げキッスをする・・・。
いやはや大変な訓練が海軍にあったものだ。
砲員は身をひそめ、号令一下満を持す、といったら聞こえはいいが、真っ黒な毛ずね、
ところどころメリケン粉のはげ落ちたヒゲ面が、ゾッとするような笑みを浮かべて腰をふる
仕草を見ては、笑い出さずにいられない。
とたんに頭上から一喝「コラッ、○○番砲真面目にやれ」。
砲術長のドラ声だ。
――――――――報国丸の訓練風景より