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862 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2006/10/27(金) 11:49:58 ID:???
終戦間際の比島でのはなし
「その頃の我々の部隊は全くの敗残兵で、武器も食料もない。村から山、山から密林へ
と敵に追い立てられて逃げ回っていた。
もともと始めは30人程の部隊で当分困らないだけの糧秣を持っていたが、敵に追われて
いるうちに、部隊にはぐれた連中が加わって数倍に人数がふくれあがってしまった。
日本軍もその頃は、戦いより生き抜くのが精一杯。ところがその部隊長は無類の善人で
苦しいのはお互い様だと、皆に食料を分け続けた。人数が増え続けたから食料も心細く
なった。かといって部隊長は配給を打ち切れるような人ではないし、善人で部下の信望
も厚かったから、「隊長の道楽には困ったものだ」と眉をひそめる者はあっても、表立
って非難する者はなかった。今考えると、まことに偉大な人徳です。
それでまぁ我々も機会があれば少しでも食料だけはかき集めておこうといる方針だった。
そんな時誰が聞きつけたのか『近くの山に、親日の山賊部隊がいる。それは原住民と支那人
だか半島人だかの混血が酋長で、原住民を率いて米軍基地を襲っては、食料や弾薬を盗んで
きて贅沢三昧で暮らしている。』との話があった。始めはそんな連中がいるわけないから
米比軍のゲリラの間違いかではないかと思ったが、色々聞いてみると敵ではないことは確から
しい。一つ相手を確かめに行って、都合によっては物資を巻き上げようというので、私(少尉)
と曹長、それに軍曹と兵の何人かで出かけた。
その原住民部隊の本部は、山間部の窪地の原住民小屋で、普通に行ったら探せないような
ところだった。
手近な住民に近づいても我々を警戒せず、身振り手振りで尋ねると案内してくれた。
すると小屋の中に円座になった原住民の真ん中に、若干色白な一癖も二癖もありそうな、
支那人との混血っぽいヤツが偉そうに米軍のレーションらしきものをパクついている。
そしてそいつと交渉開始(英語)した。」つづく
863 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2006/10/27(金) 11:51:01 ID:???
つづき
少尉「我々は君たちを白人の横暴から解放するために当地に来ている。日本軍に積極的に
協力してもらいたい」
酋長「(゚Д゚)ハァ?だったら、我々に何かしらの援助してくれるのが筋だろ?
何かくれるのかヨ (・∀・)ニヤニヤ」(乱暴な英語)
曹長(短気な性格)「少尉、こいつら我々をなめきってます。ここは力づくで…(#゚Д゚)」(日本語)
少尉「まぁマテ。もうちょっと話合ってからでも遅くはない。こいつら位だったらいつでも…」(日本語)
酋長「(´・ω・`)ボソボソ」(原住民語?でなにやら呟く)
曹長「Σ(゚ロ゚)くぁwせdfrtgふじこl!!!!」
酋長「Σ(゚ロ゚)くぁwせdfrtgふじこlp;!!!!」
曹長&酋長「くぁwせdfrtgふじこ( ´∀`)人(´∀` ) ナカーマ 」
少尉「( ゚д゚)ポカーン??????????」
つづく
864 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2006/10/27(金) 11:51:35 ID:???
つづき
実はその酋長は混血などではなく、生粋の日本人でしかも日本軍の情報将校少佐。
原住民を日本軍に協力させるべく工作活動を行っているとのこと。その少佐(酋長)
の出身地は九州、曹長も九州同地方の出身。少佐が少尉と曹長の日本語の会話を聞いて、
「勝手なこと言ってやがる」と方言で呟いたところ、曹長が懐かしい方言を聞きつけて
方言による会話となって意気投合となった。少尉は九州の方言とすら判らなかったので
呆然と見守るのみだったと。
で、こちらは少尉以下、相手は佐官ということが判り、少尉らが緊張していると、
「そんなにかしこまらないでよろしいw日本軍人同士じゃないかw」と米軍から
くすねてきたらしいパイナップルの缶詰やらレーションやらをかなり分けて
もらったとさ。
この元少尉は終戦後に降伏を知らない旧軍兵が南方で発見されるたびに「酋長少佐」
のことを思い出したとのこと。
ひょっとして現地に残り原住民の酋長としてよろしくやっているのではないかと。
余談だがちなみにこの「酋長少佐」は無事に復員した。
ただし、情報将校ではあったが、実は終戦時の階級は中尉。
どうもナメられそうだったのでハッタリをかましたらしいw
おしまい