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212 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2005/10/04(火) 20:03:17 ID:???
ふたたび奥さんが出て来た。何やら手に小さな紙包み二個を持って言葉をかけてきた。
言葉はよく分からないが、折角美人の若奥さんのお出ましでもあるので、ふたりは揃って手を休めた。
すると彼女は持ってきた紙包みを、さも気恥しそうに一つづつ私たちの手に渡してくれた。
足元に山積みになっている薪の分量に満足顔で、「スパシーボ」と礼をいって戻っていった。
早速貰った紙包みを開いて見ると、それは大豆の煎り豆であった。
彼女が気恥しそうに手渡してくれた意味が分かった。この辺地で食糧不足の中、
彼女が我々の労働になしえた精一杯の心遣いであっただろうと思った。
彼女のおかれている立場からすれば、なにも我々俘虜に対し、
こうまで気遣いをする必要もない筈であるのに、
気恥しい思いまでもしてもてなす心遣いが、私らにとってはなんとも言えないほど嬉しかった。
そこには国境を越えた人情をかいまみることができた。
213 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2005/10/04(火) 20:12:18 ID:???
↑ ttp://www.asahi-net.or.jp/~ID1M-SSK/yoshi33.htm