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240 名前:名無し三等兵[] 投稿日:2008/10/19(日) 18:46:39 ID:GbNZICQ2
陣地を出ると、付近の山には敵が待ち受けていた。
山の上から攻撃された場合、とても逃げ切れるものではない。
どうせやられるならと覚悟をきめて、須永君は重機を
馬にも積まずに、すぐ発射できるように担いだそうである。
ところが、意外なことに中隊が陣地を後に撤退を開始しても、
八路軍は攻撃どころか隊に向けてタマ一発撃たなかった。
このことは、あるていどの犠牲、場合によっては全滅を
覚悟していた中隊にとって、まったく意外なことであった。
中隊全員が易県の部隊本部へ到着してホッとしたころ、
敵が中隊を攻撃しなかった理由が密偵の報告によって
判明したのである。
それは、中隊がシケイカンを撤退するとき、付近の
村長たちが集まって八路軍にこう言ってたのだそうだ。
「ここにいた日本軍は、われわれ村民にたいしてなにひとつ悪いことをしなかった。
だから、いま去って行くその日本軍を、どうか攻撃しないでやってほしい。
こうすることが、われわれ村民に悪いことをしなかった日本軍にたいする最後の、
せめてものお礼としたいのです」
このように村長たちからたのまれれば、八路軍としては
日本軍を攻撃することはできなかった。
易県の部隊本部でこの知らせを聞いたとき、
「おれたちは、村民に助けられたんか」と言って
中隊のだれもが、陣地のあったシケイカンのほうに向けて
頭を下げて感謝したそうである。