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937 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/04/19(日) 19:28:15 ID:???
元満州の航空士の思い出話。
突然、関東軍司令官から停戦命令が出され、日本敗戦が満航空輸部隊に
知れ渡り、騒然となった。
関東軍司令部の参謀が、この緊急事態を大本営に報告するため、MC-20
旅客機が軍用臨時便で新京飛行場から飛び立った。
I操縦士が機長のこのMC機は、一度離陸したが、上空を一周してすぐ新京
飛行場に降りてきた。I操縦士は「重量オーバーだ。荷物を降ろせ!」と
語気鋭く係員に命じた。
実は、この重大任務に便乗してひそかに高級軍人の家族とその家財道具が
積み込まれたことを察知したI操縦士の怒りが爆発したのであった。
すぐに係員が若干の荷物を降ろし、再びMC機は離陸していった。
終戦の詔勅を聞いた後の東京行きであり、離陸までのいきさつも含め、
誰もがI操縦士のMC機が再び新京に帰ってくるとは思っていなかった。
ところが翌朝、そのMC機は新京飛行場に勇姿を現してみんなを感激させた
のである。
卑劣な行動が多い混乱した情勢の中でも正々堂々と王道を歩む満航操縦士の
気概を示したのであった。