716 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2012/02/23(木) 14:16:08.10 ID:???
角田和男氏の著書から
ラバウルの激烈な航空戦で、ある下士官が飛行機に乗るのが怖くなって
サボタージュしてるからなんとかしてほしい、と角田氏に相談が持ちかけられた。
角田氏は一升瓶を片手に持っていき、陽気にふるまって怖がる下士官に
「お前はオレが守る~」などと、なだめて説得させた。
その後の出撃の時、編成の都合で当の下士官は角田氏と別れてしまい、
別の小隊長となって翼を連ねた。
敵機と遭遇したとき、当の下士官は不可解な行動をとって敵機をひきつけ、
角田氏が見ている眼下で不利な空戦をやって未帰還となってしまった。
角田氏は説得させて飛行機に搭乗させた下士官を守れなかったことを後悔して
帰途についていたが、その途中でドキリと先ほどの空戦の真実を悟った。
角田氏の小隊は前方の敵機群は確認していたが、当の下士官は別の敵機群が
いたことを知っていたのではないか?
角田氏の小隊を有利な後上方から迫ろうとする第2の敵機群から守るため、
ワザと不利な空位を敵機にさらけだしたのではないか、と。
角田氏は、お前を守ってやる、と豪語しながら、逆に犠牲となって守ってもらった
立場を思うと、涙が頬を伝わって機上で嗚咽したのであった。
[7回]
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