794 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/03/12(木) 21:13:12 ID:???
開戦初頭、フィリピンのバターン半島へ攻勢をかけていた頃。
サンフェルナンド近くの村落に駐屯した第3野戦輸送司令部勤務の
曹長は子ども好きで、村の子ども達が「ニッポンバンザイ」とか
「ギブミー」と寄ってくると、必ず手持ちの乾パンなどの嗜好品を
分け隔てなく上げていた。
いつしか、村の子ども達も「あいつは必ず物をあげる良い人」の
イメージが付いたらしく、1週間ぐらいすると10数名の村の子が
曹長の野営する建物に屯ってきた。当然、隊長の少尉からお咎めが
来て、「二度と子どもらに物を恵むな」のお達しが下ったが、曹長は
夜の作業や村落の巡回の傍らに、コッソリ子ども達に嗜好品を
渡していた。
この話を聞いた日本の報道班が曹長に取材してきたので、子ども達と
手をつないだ曹長の写真が新聞に掲載された。
さすがに隊長も「司令部近くに現地人がうろつかれては、機密漏洩に
つながりかねない。貴様の責任を持って、服務外に限り、村の外での交流を
認める」と妥協した。
曹長は隊長の言葉にも感謝し、自重しながらサンフェルナンドから
去るまで子ども達と交流をかわしていた。
[5回]
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