903 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 12:26:00.86 ID:???
俺の隣近所のじーちゃんの話。
優しいじーちゃんだったが、小学校の課題で"戦争体験を聞く"ってのがあったんだ。
するとあのじーちゃんがめちゃくちゃ怒って「話す事なんかないしあっても話したくはない!」って。
顔や背中に傷があったし、戦時中のアルバムは厳重に管理されてて家族ですら見た事がないらしかった。
どんな地獄を見て来たんだろうと思ってたが、それから時を経て俺もそんな事は忘れてた。
しかし数ヶ月前にそのじーちゃんが亡くなり、家族がアルバムを見つけたとのこと。
思い出した俺はお盆に実家に帰り、ついでにその家に立ち寄ってアルバムや日記を見せてもらった。
後方勤務だったらしく毎晩現地の遊女と遊び回ってたらしい。
しかも取っかえ引っかえだったせいでいろんな女の恨みを買って喧嘩をして殺されそうにもなったって。
上官にも怒られて鉄拳制裁の雨霰。顔や体にあった傷は女と上官によるものだったわけだ。
何か拍子抜けて笑っちまったがばーちゃんが
「あの人はこれ隠してたけど、あたしゃ全部知ってたよ。あの人は気が弱くてね、戦争が怖かったから気を紛らわせるために女遊びしとったんじゃ。それを知って、あぁ支えてあげたいなって思うてな。それで結婚したんじゃ」
って言いながら微笑んでた。
先週実家から電話があり、そのばーちゃんも亡くなったらしい。
[7回]
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