34 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 14:29:53.29 ID:???
本土空襲も本格的になったころの話。
誰がいいだしたのか「禁煙すると空襲で家が焼けない」という噂が流れてたそうな。
これを聞いたある兵隊さん、帰る家が焼けては大変とさっそく禁煙。
その甲斐あってか家は焼けず無事な日々が続く。
ところがある日、姪子が結核を発病、入院することになってしまった。
親元離れての入院は心細いだろうと見舞いに出かける兵隊さん。しかし結核は怖い。
どうしたらいいか悩んでいると古参の軍曹殿が
「結核ならタバコ吸ったらうつらん」
と教えてくれた。
だが、禁煙止めたら家が焼けるかも…。
家か姪子か…悩みになやんだが、可愛い姪子の顔が浮かび
見舞いの前に兵舎で一服、病院で一服、病院出たらまた一服、禁煙の誓いは破られた。
…数日後、空襲を受けて家は丸焼け、帰りを待つ奥さん行方不明と焼け跡に入った親類から連絡が届く。
「ウワーン!禁煙破ったから母ちゃん焼けちまった」
兵隊さんが嘆いていると客が来てると言われ泣きやまないまま会いに行った。
そこにはなんと行方不明の母ちゃん(奥さん)がいるではないか!
空襲前日、姪子の見舞いに出かけて難を逃れたそうな。
[6回]
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