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軍事板「戦時中、戦場でのほのぼのとした話」スレまとめサイト
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358 名前:名無し三等兵[] 投稿日:2010/06/06(日) 09:48:57 ID:g2Mo56f+ [1/3]
ちなみに東ドイツとゴルビーネタでこれもほのぼのとはいえないかもしれないけど感慨深い話をひとつ。

東ドイツ建国式典のお話で、もう末期の話。>>333と同じ時期の話だね。ソビエト帝国を維持する気合があんまりないゴルバチョフが東ドイツ建国式典に参加した時の話。
ちなみにグラスノチやペレストロイカのことは東ドイツ国民にはあまり知らされていないのにゴルビーのやったことは東欧諸国にも伝わっていた。

祝賀式典のハイライトはベルリンを練り歩く巨大な松明行進だった。
戦車や兵器、軍楽隊が一段高くなった観覧席の高位高官の前を通過したあと、共産党青年組織、自由ドイツ青年団の団員が後に続いた。
これら若者は党に抱擁されて生まれ育ち、支配階級の忠実な息子と娘たちだとされていた。
ところがこの度は多くの若者たちから予定にない叫び声があげられたのだった。
「ゴルビー私たちを助けて。ゴルビー私たちを助けて」と。
ボーランド統一労働党第一書記ミエチスワフ・ラコフスキはゴルバチョフの隣に座っていた。彼はゴルバチョフに若者たちがなにを叫んでいるかわかりますか? とたずねた。
ゴルバチョフは「私はドイツ語はあまり理解できないが、判るような気がする」と答えた。
ラコフスキは言った「彼らは助けて、ゴルビーと言っているのですよ。彼らは党活動家の最良の部分とされているのです。この国はもうおしまいですよ」
東ドイツ指導者のホーネッカーは困惑していたがやがて起きていることを理解し、公開の席での侮辱に、怒るよりも苦悶しているようだった。

359 名前:名無し三等兵[] 投稿日:2010/06/06(日) 09:49:57 ID:g2Mo56f+ [2/3]
当時東ドイツには38万人のソビエト軍が駐留していた。
ゴルバチョフは東ドイツの高官の幾人かがホーネッカーの追い落としをたくらんでいるとソビエト大使から連絡を受けた。
その追い落としの最中に、反乱が「反革命の色彩を帯びた東ドイツのソ連ブロックからの離脱の可能性をもつかもしれない」という警告もあった。

当時の東ドイツへ大使として赴任していたソビエトの外交官コチェマソフはゴルバチョフと当時こういう会話をしたという。
ゴルバチョフは「彼(ホーネッカー)をどうするべきであろうか?」ゴルバチョフは自問自答に近い言葉を発した後続けた。
「彼はなにも受け入れようとしない。自分の目でその結果を見るべきだ。しかし、われわれの手ではやらない。彼らが自分で決着をつけるべきだ」
その後、ゴルバチョフは駐留ソビエト軍に「いかなる東ドイツのデモや反乱にもソビエト軍が手出ししないこと」を命令した。
ゴルバチョフは「ゴルビー助けてといった彼らにわれわれの軍隊を使うわけにもいくまい」と語ったという。

当時の駐留ソビエト軍司令官ボリス・ストネコフはその指示を聞いて驚き、念のためモスクワの上官に確認をとったが上官からも同じ支持を受けた。
ここに東ドイツにおけるソビエト軍の役割はほぼ終了したといっても過言ではなかった。

 


360 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 09:56:47 ID:???
東欧革命で隣のポーランドやハンガリーも次々民主化していく流れの中だから時間の問題だったけどな。
東ドイツも市民デモを弾圧できなくなっていたし、直後にベルリンの壁も崩壊したように
政権の求心力はほとんど無くなっていた。


361 名前:名無し三等兵[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:00:14 ID:g2Mo56f+ [3/3]
東欧革命1989から抜粋ですが、読んだのが英語版なんで訳が結構いい加減ですが、大筋は間違ってないはずですwww

ちなみに最近日本語版もでてるらしいので良著なのでぜひ。

>>355
ちなみに個人的には「ゴルバチョフは間違いなく開放的で善人でいい人」なの事実ですが、政治家としては個人的には評価していません。
ソビエトが行き詰っていたのは事実ですし、改革開放の方針も間違ってはいませんが、彼は急進的にすぎ、ソビエトの権威を大幅に東欧諸国に失墜させ、
国内の人々にもソビエト連邦が弱っていることを印象付けてしまい、結局ソビエト連邦を崩壊させてしまいました。
自分の指導する国家を破壊した政治家を政治家として評価するわけにはいかないでしょう。

現にソビエト以降のロシアは途端の苦しみを10年以上にわたって味わい続けプーチン登場あたりまで経済的にもまったく上向きませんでした。
ちなみにこの本にはゴルバチョフが東欧圏の存在がソビエトの安全保障つながっていることをゴルバチョフが理解していない(もちろん鳩山さんみたいな無理解ではないけどwww)
ことや、東欧圏に対する影響力の行使を「さっさとあきらめてしまった」こともかかれています。他にもゴルバチョフが改革開放路線で西側で喝采をうけ、少し有頂天になっていることなども描かれており、
東側の指導者よりも西側の指導者との会談を優先したりと、ちと軽率な部分も描写されています。

彼はわれわれ西側にはプラスになった政治家ですが、党のソビエトを「軟着陸させようとして墜落炎上大破させた機長」であると感じています。


362 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 10:40:55 ID:???
政治家の評価で難しいのは,後年に歴史を振り返ったときの評価と,そのときその場所に
いた人々が求めていたものに適切に応えたかという観点での評価が一致しないことだね。
今晩のメシに困っているときなら,メシを食わせてくれるのがいい政治なんだから。


363 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 10:56:13 ID:???
>>362

そう。そしてゴルバチョフはメシを食わせてやれなかった。

が西側での評価は冷戦を終結させ平和の使者として評価が高かった。
政治家が自国民に評価されずに外国で評されるのは政治家としてはどうなんだろう?と思うわけで。

現にロシアではゴルバチョフの評価は厳しい。もちろん抑圧を終わらせてたと評価する人もいる。
後年歴史振り返ればゴルビーさんは偉大な業績も残してるけどね。その場の人にはよい政治家ではない。

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