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軍事板「戦時中、戦場でのほのぼのとした話」スレまとめサイト
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93 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2013/08/15(木) 13:59:31.72 ID:???
とても良い買い物をしたからお裾分けだァ~。

 1951年2月、前年の中国義勇軍の大攻勢は幾つかの理由により完全に潰えた。
第一に兵站の崩壊と寒波、FEAFによる不屈の航空支援、そして地獄の鍋釜からの脱出行によって共産軍の度重なる追撃を撃退し続けた米第2歩兵師団や海兵第一師団を始めとする国連軍地上部隊の敢闘によってである。
北緯37度線以南へ撤退して当初の壊乱状態から回復した国連軍は、リッジウェイ中将の元に部隊の休養と再編を急いでいた。

 このような状況の中、中国義勇軍を主力とした共産軍は撤退して部隊を再編し、前年から51年初頭にかけての大損害にも関わらず、兵力の活発な移動を行っていることが確認されたのである。
 第77任務部隊所属第195攻撃飛行隊は、北朝鮮東部の敵移動及び兵站線に対する一連の航空阻止作戦“ストラングル”を開始した。
共産軍の首根っこたる兵站線を文字通り絞め殺すことが目的のこの作戦で、VA-195は有名なトコリの橋を破壊することに成功しているが、その多くが渓谷や丘陵、山間部に位置する橋やトンネルを攻撃することは困難を極めた。

 VA-195所属のT・アトキンソンは、“空飛ぶバイタルパート”たるAD-4スカイレーダーに遅延信管の910kg爆弾を吊り下げ、トンネル攻撃へ向かった。
 このトンネルは低い丘を通り、その出口には狭い谷を渡る鉄橋があった。アトキンソンはトンネルへ続く鉄路に沿って降下し、スキップボミングの要領で爆弾を投下した。
 爆弾は浅い角度で接地するので、地面を飛び跳ねて丁度入口へ飛び込むはずであった。
 アトキンソンは投弾後急上昇したが、その顛末は小隊僚機によって注意深く観察された。
爆弾は接地した後、予想を遥かに超えて跳躍し、低い丘を簡単に飛び越えた。そしてあろうことか、その向こうにある鉄橋へ的中したのである。
 910kg爆弾はこの種の目標に十分過ぎる威力を持っていたから、直撃を受けた鉄橋は真っ二つに折れ、谷底に構造物を撒き散らした。
 この神秘的な結果を聞き付けてきたスターズ&ストライプス紙の記者に、アトキンソンは無邪気な惨劇をもたらした子供のように、いたずらっぽく答えた。

「こんなこと、僕は日曜日にしかやらないよ」

―クリムゾンスカイ“朝鮮戦争の航空戦”ジョン・R・ブルーニング著/手島尚訳 光人社NF文庫より

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